そんなホテルで働き始めた私は、
最初接客サービスという仕事は料理を出したり下げたりなどが仕事だと思っていました。

もちろんそれも仕事には違いないのですが
「一流の人が使う一流の場所の文化の違い」の数々に驚かされることがたくさんありました。

例えば最初に教わった仕事は、
料理の出し方やフォークスプーンなどの並べ方などではなく
「お客様を働かせたら負け」という概念でした。

お客様が働いたりなんてするわけないから
どういうことなんだろうと聞くと、
「例えば『オーダーお願いします』『水をください』などで呼ばれるということは
“店員を呼ぶ”という働きをされているということだ。その時点でサービスマンとしては敗北者だ」
と言われました。

ということは
「そろそろオーダーしたそうかな」
「お水がなくなってきたな」
というのを事前にこちらから察知して、先手でいかなければいけないということでした。

しかし、相手は大成功者たちばかりで
ちょっとこう言っては失礼な言い方かもしれませんが、普通の方とは考え方が違う方ばかりです。

その方の気持ちを読み取って、先手先手で気配りをしていくのは、最初はなかなか大変でした。

でもわかっていくうちに知らない間に、
一流企業の方の心理や空気を読み取るのは、かなりの鍛錬になりました。

また「ホテルマンはNOと言ってはいけない」ということも教わりました。例えばメニューにないもので、こんなものを食べたい、ホテル内の他の店のおしぼりがいい、などと言われても「当店にはないです」「無理です」は言ってはいけないということです。どうしてもないものでもNOと言わず、それ以上の代替提案をしろというものでした。一流の成功者である、しかも常時来店していただける上客の方はそれをわかっているので、逆にメニューは見ません。ホテルマンとしてはメニューを見ずに「こんなものを食べたい」というお客様は“ホテル使いが分かっている方”という物差しがあるくらい、一流ホテルでは当たり前の文化でした。ある元プロ野球選手で超有名な方は、朝食によく来られましたが、決まったオリジナルのメニューがあって、自分のお皿をホテルに預けているほどでした。ですから我々の仕事はその方が来たら厨房にはメニューではなく「◯◯さん来ました」とオーダーを通し、その方の皿を出してきて厨房に用意するのが仕事だったくらいです笑このようにホテルの中では独自の文化があり、一流の成功者たちはその文化を楽しみに来ている、と言っても過言ではないくらいでした。

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